保護犬ブーム

この4年で保護犬を3匹世話してきた。

ダン、エル、アン。

ダンとエルは4年前に受け入れ、ダンは一昨年に亡くなり、今年、アンがやってきた。

エルは頭のいい犬で僕の言うことをよく理解するし、多少我儘なところもあるが、適度な距離感を保つので非常に付き合いやすい。なにより可愛い。

ダンは預かった時から老犬でいつも寝ていたが、ときどきじっとこちらを見つめてくるときは、心が通い合っている気分になった。何より可愛かった。

アンは甘えん坊で後追いが激しく、感情表現も豊がで、犬っぽい性格。何より可愛い。

三匹ともそれぞれに生き方、経験、性格も違うのは当たり前だけど、その違いが楽しいし、犬たちと過ごすことに僕は本当に大きな幸せを感じている(日々の世話は大変だけどね)。

さて、最近は保護犬ブームらしい。

うちは、市内の保護団体とつながって、犬たちを預かることになったんだけど、そこの代表がこんなことを言っていた。

保護犬を飼うことがブームみたいになっているけれど、そのなかで噛み癖や吠え癖、夜泣き、おしっこの不始末など、犬それぞれの特徴を受け止めきれず、

やっぱり無理なので返したいとか、健康で素直な仔犬はいないのかとか、覚悟なく自分の都合を言ってくる人が増えてきたように思う。

※この保護団体ではお試し期間を設けており、飼い主との面談もしっかりして無理がないようにしている

確かに保護犬は何らかのトラウマがある場合も多いので、うちの犬たちもそれなりに癖はある。

でもそれらをすべて受け止めるのが、生き物を飼うのに最低限のレベルではないかと思う。

人間は精神力で自分をコントロールできるかも知れないけれど、犬はなかなか難しい。性格を変えるなんて無理だし、トラウマがあればなおさら。

噛まれても吠えても粗相をしても、ただ受け止める。その覚悟が愛犬家には必要なのではないか。

自分も最初はくじけそうになったこともあった。でも犬と出会ってから僕の毎日は間違いなく豊かなものになった。

散歩のとき犬が僕を振りかえったり、一緒に昼寝するときに僕の体に身を預けてきたりする。

そんなちょっとしたことが、何にも代えがたい喜びになる。

犬の存在によって、僕自身知らない自分が見えてきたこともあるし、大げさかも知れないけれど、この喜びは人が生きていく原動力とさえ言えると思っている。

まあ、とくにうちの犬たちがスペシャルなだけかも知れないけどね。

エルと妻

ダン

アンと僕


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