見たままを見る

以前紹介した、雄勝の漁業における恩師である「おじいさん」。

僕は、事あるごとに師のメッセージを思い出しているのですが、先日も、師の面影に触れる出来事がありました。

ある日のこと。

漁業で使う道具が見当たらず、しかもその道具は絶対に必要なもので、別の物で代替えはきかない。

しかも、もはや使う段階でその道具の紛失に気づき、慌てて皆で探しまわりました。

僕は裏庭を探すように社長から指示され、その場所に行きましたが、そこは普段、全然漁業とは関係のない場所だから、こんなとこにあるハズがないと僕は思い込んでいました。

サッと辺りを見回して、やはりないなと確認し、また別の場所を探しましたが、結果的に、誰も見つけ出すことはできず、仕方なく、他の地域から同じものを借りて、急場を凌ぎました。

しかしその後、社長が裏庭を探すと、なんと、その道具を発見しました。

えっ!?

ちゃんと見たのに・・・

その時、お爺さんの言葉を思い出しました。

「見たままを見なさい」

そうです。人は先入観によって、そこにあるハズの物が見えず、逆に無いものが見えたりする。

脳が認識している情報など、そのほとんどが、自分のなかで作り上げられた筋書きや物語を肯定するために捏造されたもの。

つまり、僕は裏庭に道具があるハズがないと思い込んでいて、その思い込みストーリーを完成させるために、目は道具を見ていたのに、脳がそれを認識しなかったのです。

きっと、日常生活でも同じようなことはあるハズ。

特に僕のような、思い込みが強く、周囲の意見を取り入れないタイプの人間は、自分の見たいものを見たいようにしか見ていない。

これでは、いつまでも凡人のまま。いや、凡人以下。

お爺さんのような仙人レベルなんて、いつまでもなれない。

ありがとうございます、おじいさん。

もう、直接お礼を言うことはできませんが、これからも精進して行きます。

がんばります。


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